黒ちく

TAKEOUT

みちくさ 〜Loitering on the way〜

嵯峨智秋は、自宅の改築工事のため、少しの間だけ、山を一つ越えた街へと引っ越すことになった。引っ越し先となった街は、都内近郊とは思えないほど、拓けていない土地だった。そう遠くないことから、これまで通っていた槁ヶ丘学園へもそのまま通学することになり、通学経路も変わって、ローカル電車が新たな足となった。このローカル線は、本数が少なく、トラブルがあるとしばしば停車することもあったが、そうしたことも徐々に慣れ始めていた。そうしたある日、智秋の乗る電車がトラブルで停車した。ぼんやり外を眺めていると、見慣れた制服の女子が線路の上を歩いているではないか。そんな彼女に興味を持った智秋は……。 もっとみる