カントク

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夏ノ雨

三橋学園に通う、桜井宗介(さくらいそうすけ)。家庭や学園生活に多少の問題を抱えてはいたものの、女の子でありながら男友達のように気軽に付き合える親しい女友達、宮沢翠(みやざわみどり)や、優しい姉的存在の幼なじみ、伊東ひなこ(いとうひなこ)、親友でもあり良いライバルでもある武田一志(たけだかずし)といった友人たちに囲まれ、平凡ともいえる学園生活を送っていた。ある日彼が帰宅すると、見ず知らずの少女がそこにいた。瀬川理香子(せがわりかこ)──彼女はそう名乗った。周囲を威圧するような凛とした美しい少女。思わず見とれる宗介に、母はこう紹介した。「あんたのお姉ちゃんよ。同い年だけどね」お姉ちゃん? 同い年の?「先日、父が亡くなりました」宗介が幼少の頃に離婚して行方知れずの父。彼女はその娘で、遺言により引き取られてきたのだ。「というわけだから、面倒見てやって」「俺が……!?」「あったりまえでしょ、あんたにとっちゃ姉弟でも、私にとっては赤の他人よ」こともなげに言う母。戸惑う宗介に、理香子は言う。「わたしのことは、いないものと思ってくれていい。迷惑をかけるつもりはないわ」夏を控えた梅雨の日。突然現れた美しくも刺々しい同い年の姉との、同居生活が始まる。 もっとみる
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恋する彼女の不器用な舞台

私立早久保(はやくぼ)学園は、学生にとってのメインイベントである秋の文化祭に向けて、大いに賑わっていた。――しかし、部員数の少ない通称『弱小部』たちはみんな頭を抱えていた。それは『文化祭で生徒会が与えた課題をクリア出来なければ廃部にする』という厄介な条件を突き付けられていたから。宮国 一悟(みやくに いちご)が所属している文芸部にも通達がやってきた。それは『文芸部の部誌が100部売れなければ廃部にする』というもの。「文芸誌の需要があるなら、部室と部費を提供する意味がある」と生徒会は言う。元は名女優で、現在は同じ文芸部員の幼なじみ・十川 真優(とがわ まゆう)は『わたしの居場所がなくなる』と迷惑がり、現役で作家をしている後輩・七瀬 千奈(ななせ せな)は『文芸部以外に活動したい部活なんてない』と困惑する。しかし、たった3人だけの文芸部員たちは、解決策を見いだせないでいた。そんな彼らの元へやってきたのは演劇部部長・千代田 百花(ちよだ ももか)。「上演実績の無い演劇部は演劇部とは呼べない。今度の文化祭で演劇の上演が出来ないのであれば、廃部にする」という通達が生徒会から出されたものの、演劇部の部員数はたったの2人。舞台上演など到底無理な話。だから──『文芸部に脚本を書いてもらって、出演もしてほしい!』『そして、真優ちゃんには再び女優として舞台に立って欲しい!!』と言う百花。果たして文芸部と演劇部は、生徒会からの課題を無事クリア出来るのか?真優は再び舞台に立つことになるのか?そして、一悟と女の子たちの恋の行方は?さまざまな問題を抱えながらも、文化祭の開催日は刻一刻と迫っていく―― もっとみる