三九呂

CGがいい

放課後の不適格者

私立秋華学園は秋を迎えていた。一年生はようやく学園生活に慣れ、二年生は学園生活を謳歌し、そして三年生は卒業を控えて学園生活を懐かしむ。そんな季節。常盤イツカも、秋華学園に通う学園生の一人だった。学年は三年生。サッカー好きのどこにでもいるような平凡な少年だった。彼は友人達に囲まれて、ごく当たり前の生活を送っていた。幼馴染みの双子の姉妹、夕顔と朝顔。同じサッカー部に所属していた親友の純。長い付き合いの悪友、康介。まとめ役の委員長、奏。担任の国語教師、栞。特別な事など何一つなかったが、楽しくも幸せな毎日を送っていた。だが、ある日を境に彼らの生活は一変する。クラス全員で参加した合唱コンクールの帰り道、彼らは正体不明の一団に出会う。この出会いが、イツカ達の運命を大きく捻じ曲げていく。イツカ達の生活は大きく変貌していく。あたたかく平凡な日常から、寒々しく血生臭い非日常へ。それは絶望と悲しみだけで織り上げられた、いつまでも終わる事のない悪夢だった。その悪夢の中でイツカは次第に追い詰められていく。平凡な少年の精神は悲鳴を上げ、救いを求めて彷徨い続ける。しかしその悪夢の中にあるのは、イツカの手に染み込んだ罪と罰だけ。救いなど、どこにも存在していなかった。イツカは破滅に向かってただ歩き続ける。長い時間をかけて、多くの人々と築き上げてきた絆と想い出を、自らの手で粉々に打ち砕きながら。 もっとみる 特集: あかべぇそふとつぅ特集
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LOVESICK PUPPIES −僕らは恋するために生まれてきた−【萌えゲーアワード2013 純愛系作品賞 金賞受賞】

崇村虎太郎は普通の学園生だった。『相談室』の一員であること以外はいたって普通の。相談室――それは別名『苦情係』『なんでも屋』なんて言われるほど、学園内外の様々なトラブルが持ち込まれるやっかいな所だった。『あいつはハズレを引いた』皆がそう哀れむほど。だが、元来から世話焼きである彼とって、色々な人たちの相談に乗る日々はそう苦痛でもなかった。――そんなある日、虎太郎はひとりの少女と出会う。『退学一歩手前の校則違反を犯したひねくれ者』――空小路織衣、である。そんな彼女の教育係に任命され戸惑う虎太郎。性格にすこし難はあるものの、仕事にはひたむきな彼女をみて虎太郎は感心する。そんなある日、彼女は主人公の家がアパートであることを知り、自分を住ませて欲しいと強くお願いしてくる。断ろうとする虎太郎だったが、彼女の強引さと、その裏にある事情を知り結局OKすることに。こうして、2人の奇妙な同居が始まる。お互い不慣れながらも、なんとか共同生活をこなしていこうとした。――そんな最中、問題が起きた。叔父が経営している、このアパートの取り壊しの話が持ち上がったのだ。当然、ふたりは動揺した――虎太郎は思い出の家を失うことに。織衣は自分の人生をやりなおすための家を失うことに。だが、嘆き悲しんでいるいる時間はなかった。事態は二転三転し、逆に住人が増えることになってしまう。ちょっと内気で、だけど頑固なワケアリ少女の柴咲まるな。今売り出し中の人気声優でちょっぴりオタクなソーニャ。そこに、クラスメイトで武道一直線の姫里勇と、気心の知れた幼なじみの保科有希も加わり、アパートは更に賑やかさを増していく。こうして、虎太郎達は家族としてお互いの絆を深めていく。終わりの時が決まった、時間限定の家族として…… もっとみる 特集: あかべぇそふとつぅ特集